新潟県・長岡市<戦災と地域の個性>
新長岡市は合併してできた市である。旧長岡市の中心部には信濃川が流れ、そこでは日本一と言われる花火大会が開催される。合併によって山間部から日本海まで広がる広大な地域を市内に取り込んだこともあり、自然豊かな町となっている。
ところが市の中心であるJR長岡駅から周りを見渡しても、地域の個性が感じられない。一般的な日本の地方都市と言えばそうかもしれないが、それにしても歴史的な蓄積が全く感じられない。駅前の一角に木造の古い旅館が残っていたが、見た感じ昭和建築である。
その後、駅近くにある戦災資料館を訪れ、その理由がわかった。JR長岡駅周辺は戦災で焼け野原になったそうだ。当時の写真を見たが、建物はほぼすべて焼失している。富山市、長岡市、宇都宮市が同じ時、B29によって焼き尽くされたという。
戦争でここまで破壊されると、少なくとも地域の歴史的な建物は奪われ、建物レベルでは地域の歴史が断絶する。ヨーロッパでは戦争で破壊された建物を再建したが、日本の終戦直後を考えるとそのような動きを期待することは酷だろう。
時間は確実に流れ、いずれ歴史が蓄積される。ただし同じ時間が流れても、同じだけの歴史が蓄積されるとは限らない。しっかりと歴史を蓄積する地域もあれば、スクラップアンドビルドを続けいつまで経っても歴史を感じさせない地域もある。長岡は自然豊かな地域である。できるだけ早く戦争による歴史の断絶を取り戻してほしい。
| 固定リンク


コメント