中国・内モンゴル<その2.草原とゲル>★★★
シリンゴルの草原は内モンゴルでも1,2を争う美しい草原である。確かに広大で見渡す限りの草原が広がっている。草原には羊や牛、馬が放牧されている。家の大半は煉瓦造りだが、ごく一部に、昔ながらのゲルが残っている。草原に煉瓦造りの家が建っているのもなかなか風情がある。しかし、ゲルは絵になる。もちろん、居住環境を見るとゲルより煉瓦造りの方が優れている。遊牧の禁止と相まって、昔ながらのゲルが急速に消滅している。
草原と牧畜、ゲルはワンセットで残したい景観だ。ただし、ゲルの周囲には自動車、バイクが止められ、ゲルの中には電化製品があふれている。今更、馬で移動せよというのは不可能である。ゲルは遠くから見ると絵になるが、中に入ると、居住環境がいいとはいえない。煉瓦造りの家に建て替える変化は当然だろう。煉瓦造りの家が増えることはあっても減ることはない。
昔の景観をそのまま残すのは不可能である。観光用のゲルは今後も残るが、観光用のゲルは、何張りかが集まっている。しかし、ゲルは草原で点在しているものであり、集まってしまうとかつての景観とは異なる。が、観光用のゲルを中心に新たな草原景観を形成すべきだろうか。もしくは、観光客が通る道路から一定の地域を景観形成地区に指定して、景観用にゲルを建て、昔ながらの景観を維持できないだろうか。ただし、伝建地区とは異なり、草原はものすごく広い。観光客が一般的に通る道路沿いといっても気が遠くなるほど広大である。どうしたものだろうか。
近代化を否定するのは不可能であるが、何とか工夫して、草原の景観を維持したい。草原には、牧畜とゲルが不可欠な構成要素だと思う。
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